2018年2月21日水曜日

電気アンカの分解

<電気アンカの分解>
家で使用していた電気アンカが通電しても暖かくならなくなりました。分解して原因を調査しました。

製品: 大阪ブラシ株式会社製 EC028 100V 4A
    使用前に通電してアンカ内部の液体を熱くして使用するタイプです。
    湯たんぽに湯を入れる代わりに自分で電気加熱して熱くする方式です。
     通電中はブザーが鳴り、所定の温度に達するとランプが点灯し過熱が停止
    します。



   本体はビニールのような袋で内部に液体が入っています。


   通電用のプラグを外した接続口は3Pの電極です。

   袋の中を見ます。プラグ部分を切り抜きます。




分解しました。内部の液体は、

塩分と酸化鉄の粉末のようなものが入った液体です。放置すると分離します(上)
この液体は通電できます。1cm四角のアルミ電極を2cmほど離して通電すると15Vで約0.4A流れます。全体の回路図です。
ちょっと見にくいですが、袋の中で2カ所に分離された電極でこの液体に通電し、加熱するようです。交流100Vを直接印加しています。液体が過熱して所定温度に達すると、バイメタル式のサーモスイッチが作動(75℃)して通電が切れます。同時にLEDが点灯します。通電中はブザーが鳴動します。

故障の原因ですが、使用していると過熱にかかる時間が長くなり、最後には過熱できなくなるということで、加熱電極を見てみると黒く変色した固形物が堆積して、通電しにくくなっているようです。つまり、なんらかの析出物が堆積して電気抵抗が増加し液体に通電しなくなり過熱できなくなるということのようです。これが寿命要因と思われます。

通電電極をクリーニングすればしばらくは回復すると思われます。しかし今回はビニール袋を切り裂きましたので、復帰不能です。

以上

2018年2月4日日曜日

瞬間湯沸ポットの修理

娘が使っていた湯沸ポットが壊れたというので早速分解修理をしました。分解して分かったことは、温度ヒューズを交換修理できる構造にはなっておらず、使い捨ての製品だということです。値段もそのような値段ですからしょうがないですね。しかし、修理しました。

1.製品  タイガー電気ケトル 品番」PCF-A080
      0.8L 温度ヒューズ 172℃
      100V 1300W  12年製

2.故障部位調査
(1)台座
  導通テスト問題なし、断線なし。
  ちなみに、接地端子が用意されていますが、日本国内向けでは使用されていません。
  ポット本体の発熱体の外皮やポットのアルミ底部に接続されています。
  

(2)本体
分解はなかなか大変でした。可逆的な分解が可能な設計ではありません。組み立て時は底部カバーが最後のようですが、樹脂の爪を嵌合させてはめ込んだ後に、底部を取り外すのは困難です。結局、取っ手の部分を分解して、取っ手取り付け部をなんとかマイナスドライバーで外したのち、ピンクの外皮を取り除き(簡単)、最後に底部を取り外します。感情な嵌合構造のため、マイナスドライバーで嵌合を解き、外しました。取っ手の端部を底部で挟み込む構造のため、組み付けは底部が最後になります。


交換した温度ヒューズです。上の小さいほうが本来の部品(TAMURA LE169 172℃)
15A、250Vです。導通していませんでした。交換部品は同じものはamazonにはありません。15Aというのが手に入りません。若干温度が高いですが、187℃で15A、250Vのもので代用しました(下側)。結線は、カシメ工具で接続しました。
(3)回路図

過熱して電源を切断する機構は3重になっています。通常は、上部写真の部品の中に、電源スイッチとサーマルセンサが入っていて蒸気の温度でバイメタルが作用しスイッチを機械的にOFFします。ポット底部の発熱体周囲にもバイメタル型スイッチが2系統配置され、空焚きではこれが作用して電源がOFFされます。しかし、空焚きでは冷めれば復帰するので、発熱、冷却を繰り返すことになると思われます。これへの対策として、発熱体底部の温度ヒューズが3重目の安全機構となり、これが溶断します。今回は多分このケースでしょう。通常は、温度ヒューズが切れたらおしまいということです。

今回は、分解にてこずり、温度ヒューズの入手にも時間がかかりした、交換部品自体は、温度ヒューズ150円、カシメ金具30円くらいでしょうか。

再組付け後、動作OKを確認しました。空焚きには注意しましょう。
(以上)